漆黒の封筒

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「…あなたは?」 また女の子が話し掛けてきたので、少し照れながら答える。 「一ツ橋成哉です」 「一ツ橋さん…。あ、私は宇吹日菜(うすい ひな)です」 「あ、どうも」 まるでお見合いかと言うようなやり取り。ペコリと頭を下げた。 「俺は17歳だけど、宇吹さんは…?」 名前を呼ぶだけでも何だか照れる。 「私も17歳です」 「高3?」 「はい」 ニコッと宇吹さんは微笑んだ。 サラサラした黒い髪が揺れる。清楚そうな雰囲気。 顔や雰囲気、声など全てが俺のドストライクだった。 「ん…」 「うう……」 倒れている人から次々と声が漏れる。 そして順々に目を覚まし出した。
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