漆黒の封筒

17/32
前へ
/542ページ
次へ
目を覚ました皆は俺達と同じように、まずは頭を抱え出す。 治まり、頭が働き出すと、今のこの置かれている状況に驚いた表情になる。 「な、ここは何処だよ…」 「え?え?何…?」 「ここ…何処…?」 皆が口々に言う。 「─何だよ、ここ!?俺をこんな場所に連れてきやがって!!何処のどいつだ!?」 ひときわ目立つ男が叫び出す。 男は立ち上がり、壁を蹴る。しかしパラパラと、壁の塗装がはげ落ちるだけ。 うわ…。あいつには関わりたくないな。 思わず顔を背ける。 叫んでいる男は、見ただけで不良だと分かった。 …顔に刺青入ってるじゃん。 俺と同じような考えを持つ奴らも、顔を逸らして男を見ないようにしている。 日常ではまず、関わりを持たないようにする相手だもんな…。 「何だよ、何だよここー!?」 ひとりの坊主頭の男が次に叫ぶ。 こいつは空気が読めんタイプだな…。
/542ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2483人が本棚に入れています
本棚に追加