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俺達は塩田を、最初の部屋に運ぶことにした。
このままにしておくことも出来ないが、この部屋に置いておくことも出来なかった。
最初の部屋に入り、秋山の隣に並べる。
白目を向かせた酷い顔はかわいそうだと。内藤は着ていたセーターを、塩田の顔に被せた。
俺は呆然となってしまい、塩田の亡き骸を見つめることしか出来ない。
ーーーー
──皆が手を合わせている中。迎井はひとり、難しい顔をする。
以前言っていた、丸熊の言葉を思い出していたからだ。
『──次に死ぬのは天パだな』
偶然だろうか?丸熊の言っていたように、本当に次は塩田が死んでしまった。
どうして死ぬ順番が分かっているのか?
塩田だけでなく、手戸が死ぬことも分かっていた。
本当にただの勘なの?
丸熊は何か知っているんじゃあ……?
迎井は只ならぬ恐怖に包まれる。
更にこうも言っていた。
もやしの次は……私だと。
丸熊の言う通りなら、次は内藤が死ぬ……。そして次は……私……。
嫌だ……。嫌だ…!死にたくない!
あんな醜い姿になんかなりたくない!
震え出す体を、手で押さえ込む。
迎井はひとり、ねっとりとした恐怖に身を竦ませていた。
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