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ドキドキしながら、宇吹さんの首輪を見る。
確かに小さな鍵穴があった。
何かの鍵でこの首輪が外れるってことか…。
「─ん?」
俺は思わず声を出してしまった。
「どうしたの?」
「あ、宇吹さん動かないで」
そう言ってもう一度よく見た。
「……数字が書かれている」
首輪にあった鍵穴は、穴が空いているものではなく。車のドアのように、穴が閉じているタイプのものだった。
その閉じている蓋のようなところに、小さく数字が書かれていた。
「え!?数字?」
内藤が慌てて首輪を見直す。
「鍵穴の閉じてる部分に」
「…本当だ。めちゃくちゃ小さく書いてある」
「…私の首輪には何て数字が?」
宇吹さんは不安そうな顔で訊いてきた。
「えっと、4て書かれてる」
「きっと皆さんに書かれているよね…。一ツ橋さんのも見よう」
そう言ってくれたので、俺は後ろを向いた。
「一ツ橋さんは9です」
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