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まずは、1階の部屋から回ることにした。
その中でもふたりの意見が一致した、広い部屋に向かう。
この部屋は、寝る場所として使っていた所。
だだっ広く、家具や物が何もない真っ白な部屋だ。
だからこそ、俺達は怪しいと睨んだ。
何もないのにただ広いと言うのが、怪しいとなったのだ。
そっと扉を開け、中を覗く。
実のところ、この部屋にやって来るのは久し振りだった。
最初の内はここに移動して寝ていたが、3日目ぐらいからは、キッチンの部屋で寝ていたからだ。
中に顔を覗かせた瞬間。目に飛び込んできたものに、思わず「……うっ」と、声が漏れてしまった。
「どうしたの?」
不思議に思った宇吹さんが、中を覗こうとする。
「あ!待って!」
慌てて宇吹さんの前に立ち、前の視界を塞ぐ。
そんな俺に、訝しい表情に変わった。
「……すぐには…。入らない方がいいかも…」
そう言って苦笑いをするような、曖昧な表情を浮かべた。
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