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宇吹さんが見付けてくれた扉を開けた。
開けるとそこには、真っ直ぐに伸びる黒い階段が。
どうやら地下に下りて行くようで、階段は下に続いている。
今はこの部屋の明かりでまだ見えるが、地下には明かりがないのか。階段の先は黒くなっており、その先の様子は分からない。
雰囲気の不気味さと恐怖から、ごくりと唾を飲み込む。
でももうこんな所で、立ち止まっている訳にはいかない!
「行こう」
俺は呟いて、階段に足を踏み入れる。その後を宇吹さんが付いてきた。
階段は両側の壁いっぱいに広がり、両手を伸ばせば壁に付く狭さ。
左手を壁に付けながら、ゆっくりと下りて行く。
階段は思っていた以上に長く、次第に部屋から零れていた明かりは届かなくなった。
靄(もや)のような黒さが、目の前に現れる。
それに呑み込まれるように、靄の中を進む。
しばらくは真っ暗だったが、微かに明かりが見えてきた。
明かりに少し安心し、残りの階段を下り切る。
階段が終わると、右手に廊下が続く。廊下の天井には、僅かに光る照明が設置されていた。
廊下を進んで行くと、今度左側の壁に扉がある。その前に立つとちょうど明かりの真下らしく、扉が際立って見えた。
まずはこの扉を無視し廊下を奥に歩いたが、すぐに行き止まりになった。
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