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苦しむ宇吹さんの顔色が、徐々に青白くなっていく。
脂汗が滲み出てきて、はぁはぁ……と苦痛の声を漏らす。
そんな宇吹さんを見つめることしか出来ず、頭の中は混乱を極めた。
何をしたらいいのか分からない。どうしたらいいのかが、分からない。
全てに対して分からなくなる。
鼓動がどくどく大きく鳴り、焦りで心臓を破ってしまいそうだ。
しかし当惑する中。とにかくここから早く出なければ!と言う考えに行き着く。
その為には『8』の鍵が早急にいる──!
思い出せっ!秋山のナンバーの鍵は、何処にあった!?
そしてその鍵はどうした!?
しかし混乱と焦りに支配された頭では、考えれば考える程収拾がつかなくなり、思考と言う糸が複雑に絡み合い、まともな考えが出来ない。
両手で頭を抱え込み、必死で思い出す。
宇吹さんの痛切な声が、更に焦りに拍車を掛ける。
──思い出せっ!!早くっ!!
『──死んだ奴の鍵とかいらねーよ!』
『──空気読めよな!クソ熱い部屋にいて損したぜ!!』
あっ…………。
その時頭を過ったのは、丸熊の言葉──。
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