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両手の痛みは、絶叫を上げたいくらいだった。
余りもの痛さに、頭がおかしくなりそうだ…。
両目にはうっすら涙が浮かび上がる。俺は右肩に巻かれていた、袖の包帯を解く。
それを半分に裂き、両手にそれぞれ巻き付けた。
…これで肉が直接物に触れることはないから、マシだろう。
痛みに堪えながら、金庫の下にあった鍵を拾う。
しばらくこの部屋にあったので、熱くなっていた。
だが持てない程の熱さではない。
探し求めていた鍵を握り締め、一目散にこの部屋から出た。
──目指すは地下。
宇吹さんが無事であることを願うと共に、地下の扉が外に繋がっていることを、強く願った。
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