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その変わりように、嫌な予感がした。
守は眉を下げ、言いにくそうに俯く。
だが顔を上げ少し躊躇った後、ゆっくり口を開いた。
「…成哉が見付かってすぐくらいかな…。俊明も、行方不明になったんだ……」
「───え?」
守の言葉を聞き、頭の中が真っ白になる。
湧いた嫌な予感が、じわじわと広がっていく。
「3日前くらいから、家に帰ってこなくて。俊明の家族が捜索願いを出したって」
「まだ…戻ってきてないって、ことか…?」
「あぁ…。それとさ……」
俺は聞いた内容に完全に言葉を失い、目の前が真っ暗になる衝撃を覚えた。
「俊明の鞄だけは見付かったんだ。でも…何故かその鞄の横には──」
「─── "狐のお面" が落ちていたって───」
第一部・完
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