漆黒の封筒

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ゲーセンに行き、お目当てのカレンちゃんフィギュアを獲得した後、ファーストフード店でハンバーガーを食べる。 「じゃあなー」 「また明日なー」 ふたりと別れて帰路に付く。 小腹がすいたからハンバーガーを食べてしまったけど、夕飯食えるかな? 夕飯をちゃんと食べないと、俺の母親はうるさかった。 栄養管理士の免許を持っているもんだから、「毎日考えて作ってるんだよ!」と怒鳴られる。 …揚げ物じゃなきゃ、食えるな。 自分の腹具合を確認した。 「ただいまー」 家の中に入ると、夕飯の匂いがした。 …油の匂いじゃない。そんなことを思いながら、リビングに入る。 「成哉、おかえり。遅かったわね」 「ちょっと守達とゲーセン行ってた」 鞄を机の上に置いて、お茶を冷蔵庫から取り出す。 「お兄ちゃん、邪魔」 母親の手伝いをしていた妹の花恋(かれん)が、俺のことを睨み付けてきた。 ──そう。 俊明の好きなカレンちゃんの良さが分からないのは、俺の妹も『かれん』だからだ。
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