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炎座は、各地に潜伏しているが、既に各都市には拠点がある。研究施設も充実している。
最近の炎座は『死から来た者』を標的にした、テロ行為を多く行っていた。
『死から来た者』も、炎座をマークしている。
「彼らの怖いところは、人間を巻き込まないというルールが無い事。そして、大量殺人が許されている…」
化学兵器も、爆弾も使用可能となっていた。
「炎座は、組織の見分けが付かない。瞬君は、本人を見れば、どこの組織かだいたい検討がつくだろう。会屋は完璧に見分けられるだろう。炎座はその能力者を持っていない」
炎座は、敵味方の区別がつかずに攻撃してくるということか。
「まさか、炎座、会屋を狙っている?」
手越が、小さく頷いていた。
「あの、能力は欲しがっているね」
会屋、渋谷の護衛で大丈夫なのだろうか?
「瞬君も危険だね。炎座は【預かり屋】が無かった」
海晴、頭脳戦は得意ではない。やはり、北原を訪ねて、相談した方がいいのかもしれない。
手越は、どこかいつも笑顔だが、遠くを見ていた。潜入捜査で、家族は保護されているときくが、手越は家族の話は一切しなかった。
瞬は、予備校のある日は、バイトをしない。予備校から、瞬が深夜一人で帰宅していると、消防のサイレンが聞こえてきた。火災が近いのかもしれない。ポケットから携帯電話を出すと、火災の情報が無いか確かめてみた。
蛍光灯の光の下に立ち止まる、瞬は携帯を呼んでいるフリをして周囲を伺う。誰かが、後ろに居る。
「なあ、あんたでもいいけど、ここに会屋って奴がいるかな?」
一人では無かった、周囲から不良らしい恰好をした少年達が、ぞろぞろと出てきた。
「居たとしても、教えない」
瞬が、上に飛び民家の屋根を走り抜ける。窓ガラスでもいい、映るものならば、瞬は通り抜けられる。雨戸を閉じていない民家を見つけ、瞬が飛び込もうとした時、前を塞がれていた。
「その情報は得ている。だから、あんたでもいいと言った。拉致する」
全員が、連携して捕獲するチームのようだった。
「海晴!」
瞬が名を呼ぶと、ベランダに海晴の姿が浮かんでいた。
「拉致は困る」
海晴、仕事中だったのか、白の上下の作業服に、白いエプロンをしていた。長靴も履いている。
海晴は、素手で一人ずつ殴り飛ばしているが、相手は湧くように出てきていた。
「瞬、構わず逃げろ!」
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