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……自惚れ、じゃない。
小刻みに震える肩も。
守ってやりたくなるような華奢な背中も。
多分、俺が欲しくて泣いている。
ずっと、可愛くて。
かわいがりたくて、甘やかしたくて、傷つけたい、俺の莉奈。
俺の、妹ではない。
俺の……
「……っ」
反射的に、莉奈をこちらに振り向かせると思い切り抱きしめていた。
見た目とはずっと違う、柔らかな身体。
さっきまで俺が背中に残した、キスの痕が残ってる。
俺の、女の子の証。
「……バカだろ、おまえ…」
「……」
「他の女を抱くのも、他の女を近づけないのも、オマエが欲しいからに決まってるだろ……」
カッコイイ告白にしたかったのに、出た声は俺も泣きそうだった。
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