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「おに…」
「うるせーよ。
ていうか、俺が女と遊んでようがオマエには関係ないだろ」
振り払った手を、さらにしっしと手で追い出し、莉菜を見上げる。
莉菜は振り払われた手をもう片方の手でギュッと握って悲しそうに、目をふせていた。
……その首に噛みつきたくなる衝動を抑えるのも、もう慣れた。
「……じゃあな」
「ま、…お兄ちゃん!
お風呂っ、お風呂入ってきてね…っ!」
「分かったよ」
「あ、あと、首…の後ろんとこ…」
「うん?」
急に言いにくそうに言葉を濁して莉菜がボソッと言う。
そして意を決したようにブンッと顔をあげると、
「多分キスマークついてるよ」
とムリヤリ笑った。
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