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毎週火曜日にあるバイト先のカフェは海に近い。
その日は大学も早く終わったから、バイトまではまだ時間があった。
ちょうど夕焼けがとても綺麗だったから、せっかくなら。
そんな気持ちで立ち寄っただけだった。
綺麗なものを目に収めて、それからバイト先へ行こう。
――そう、きれいな……
「――近寄らないでね」
「……」
浜辺についた時、一瞬幻かと思った。
海には砂浜から2メートルほど離れた場所に人が一人座ることができるくらいの岩がある。
それはちょうど映画の中で人魚が座っているくらいのサイズの岩で、高さもそこそこにはあった。
たまに人が座っていることもあるけれど、ほとんどは見たことがない。
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