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「ねーぇ、智也(ともや)ーぁ」
「なに?」
「やっぱ智也はかぁっこいいねぇ?」
俺の身体に身体をすり寄せてすり寄ってくる甘い声。
独特の、ここでしか得られない快感。
「なにいってんだよ?
リサのが可愛い癖に」
「えぇーっ?
ほんとぉー?」
「うん、俺が知ってる女の中で一番。
だからリサは特別だよ」
頭を撫でれば、俺の腕の下で恍惚とした表情を浮かべるリサ。
昨日も、一昨日も、その前も、他の女に告げた同じ台詞。
今週の女への俺の口説き文句だ。
「もーお、智也ずるぅーいっ!
そういうこと他の女の子にも言ってるの、リサ知ってるんだよ」
「どうかな。
今週は違うかもよ?
……少なくても、今はおまえが一番可愛い」
「んっ……」
強引に顎を持ち上げて、唇を押し当て舌をちらつかせれば、俺の腕の中でその女は甘い快楽に落ちていく。
なんて簡単。
なんて単純。
いつかだろう。
絶対に誰にも伝えることもできない激情をぶつける相手を作るためにこんなことを始めてしまったのは。
そしてその、一時の快楽はその後倍になったむなしさを連れてくる。
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