01*sister*

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「悪いけど…、ちょっと今、俺混乱してるんだけど」 『えっ? あ、今のお兄さん!? あー、じゃあ、俺切るわ。 あとは、オマエでガンバッテ!』 「ちょっ、無責任! ま、待って、りょ…」 ツー、ツー、ツー。 莉奈が話し終える前に、電話は切れた。 自動的に、携帯の画面が待ち受け画面に戻る。 莉奈ははだけたワイシャツを、着直す。 隠れていない、肩と首筋が色気を放っていて、こんな時でも俺を誘っていた。 「……嘘、だったの」 莉奈が観念したようにポツリと口を開いた。 「……」 「お、お兄ちゃんが、どんな反応するか見たくて…。 亮に彼氏のふりをしてもらってたの。 わざわざ三年生のとこで、自慢までしてもらって……」 きゃしゃな肩が小刻みに震えてる。 莉奈がズッと鼻をすすった。 「…だって、怖かったの。 お兄ちゃん、本気で来る女の子のことはみんな拒否するって有名で…。 ましてや、私、妹だし……。 わ、私、お兄ちゃんに拒否されたら、生きていけない…っ!」 ふぇっと泣き出して、そして泣き崩れてしまった莉奈。 ごめ……、と謝る声は、もう声にもなっていなかった。
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