01*sister*

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それから、髪を染めた。 茶髪にして、一緒にいたって絶対に兄妹とは思われない格好にした。 一見、ただの男と女。 大丈夫、ナンパから見たらちゃんと虫除け。 似合わなくて、兄妹だなんて噂がたたないようにした。 俺と莉菜のいる世界を完全に区別した。 家族だという絶対的な絆を外したくて。 ……でも、その鎖はやっぱり今も外れない。 「おにーちゃんっ! もうっ、なんで染めちゃったの! お兄ちゃんの柔らかい髪、好きだったのに……ほら」 ふわっと小さくて細い手が俺の耳をかすめる。 ソファに座ってた俺の後ろから甘い香りが一瞬近づいた。 香水なんて、この女が付けているはずがない。 誘惑なんてするわけがない。 ……なのに、 「触んなよ」 ―――熱が、くすぶる。
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