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視界の端に俺の親衛隊だと言う こうが君を入れつつ、
さがらさまをずっと見つめていると、
無表情の彼が不意にこちらを向いて、笑った。
「「「きゃああああああああああああ」」」
なんだこの歓声は…。
うるさい…。
それにしてもなんだろうあの笑い方。
俺も彼もまだ小学四年生だよなぁ…?
まるで兄ちゃんの見てた、あくしょんえいがの
きざったらしい主人公みたいな笑い方。
そしてたぶん、
彼の表情は俺だけに向けられるのだろう。
さっきの笑みも、真っ赤な顔も。
たぶんこれから、もっともっといろんな。
そう考えた瞬間、小さな心臓がいつもより
少し速めに動き出した気がした。
い「なまえ。」
あ「ん。」
い「オレのなまえは、さがら いちじろう。」
あ「いちじろう…。」
い「あつきのこと、たいじにする。
それがおとこのやくめだから。いっしょにいて。」
あ「うん。俺でいいなら。」
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