第1章

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気にしないようにはしていたものの、やはり中学生といえば多感な時期。 先生や友達に相談する事も出来ず、家族にも打ち明けられなかった俺が唯一頼ったのが、心療内科医の叔父さんだった。 叔父さんに悩みを聞いてもらって、話をするだけでも心が救われたんだ。 叔父さんの慈愛高校・大学時代のバレー部の話を聞いて、邦都バレー部の強豪校ならではの異常さみたいなものも解ったような気がした。 邦都のような同じチーム内での足の引っ張り合いや、隙あらば蹴落とそうとする狡猾さが堪えられなくなってしまった。 思いがけず、両親が仕事の拠点を移すため地元を離れることになったのは好都合だった。 それがなかったら、中高一貫教育の邦都学園から逃れる事はできなかっただろうからな。
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