第1章

12/75
前へ
/77ページ
次へ
「いやいや、全然大したことじゃねえんだよ。」 照れくさそうに話してくれた相原さんの言葉をまとめると。 ようするに、相原さんは式を挙げないと。 40にもなっているし、そういう派手なことはしたいくないし、というのが一番の理由らしい。  それと。 「あいつは人間じゃねえ。んで、でけえガキもできちまったし、あれもちょいと訳ありだから、あまり大っぴらにしない方がいいだろ。」 ダンピールのリュエルクさんは、外見は20歳半ばでも実際は100歳前後。 半分流れている吸血鬼の血が、成長を緩やかにしている。 それから、珠美さんは猫又。 何歳なのかは聞いたことがないが、どうやら江戸時代の後期あたりから生きているらしい。 「な?下手に式なんぞ挙げたら、あいつらのことを大勢のやつに知られそうで。」 まずいだろ?と相原さんは言った。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9744人が本棚に入れています
本棚に追加