第1章

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「身内だけという手もありますよ?」 だって、珠美さんはきっと初婚になるわけだし。 女性としては、華やかなウエディングドレスや打ち掛けを着たいとか、友人を招いてパーティーくらいはしたいとか、あるんじゃないか? 「いや、あいつもそこは納得してんだ。」 まあ、今は籍だけ入れて金のかかる式をしない人もいるし、地味婚なんて言い方もあるから、女性はそんなに憧れないケースもあるんだろう。 珠美さん、白無垢とか似合いそうなんだが。 「だからよ、籍入れて、あ、むろんそこら辺は姐さんから紹介してもらった偽造屋に上手くやってもらったからどうにかなるんだが。」 泣いた赤鬼の赤井さんと青鬼の青野さんのコンビなら、珠美さんやリュエルクさんに必要なものは作ってくれるはず。 どうにかなるってことは、籍をちゃんと入れるってことで問題はなし。 式も挙げないってことにも同意しているからには、珠美さんが怒る理由じゃないってことだし・・・じゃあ、なんだ?
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