第1章

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「んもう。人間って、どうしてこう小さいことを気にするのかしらねっ。」 華原さんが、相原さんの隣に座った。 開店していないのでワインは出せないが、かといってお茶ってわけにもいかないよな? 相原さんが、肩をすくめた。 「悪かったな、度量の小せえ男で。」 「あら、やだぁ、そういうことじゃないわよ。」 ケラケラ笑う華原さん。 700年の年月を生きてきた華原さん、俺も相原さんも含めて、人間の考えをばっさり。 「寿命のことなんて、そんなものとっくに承知よう。気にしてたら、好きになんてならないわ。」 そういう華原さん、女性好き。 きっと、これまでもたくさんの女性とお付き合い・・・ いやいや、そこは追求しないでおこう。
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