第1章

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いつもの時間に開店した「居酒屋まる」。 そして、いつもの客が暖簾をくぐって・・・ 「泉実ちゃん!!家出してきた!!泊めて!!」 ・・・・・・は? そこには、大きなキャリーバッグ持参の珠美さんが、目尻をつり上げて立っていた。 って、家出?家出って言った? 「た、珠美さん?」 「泊めて!でもって、和左が来ても、店に入れないで!」 いやいや、そこはお断りします。 相原さんは、ここの大切なお客さんです。 ふ、夫婦喧嘩だろうか。 あんなに相原さんにベタぼれしていたはずなのに。 珠美さんは、とても興奮していて、簡単に引き下がりそうになかったが。 「む。このようなところに立つな。邪魔だ、猫。」 珠美さんの様子などおかまいなしのミハイさんが、押しのけて入ってきた。
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