第1章

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「・・・俺はあいつを縛りたくないんだよ。」 相原さんもまた、珠美さんのことを案じているからこその拒否だったんだが。 「相原さん。写真、撮りましょう。」 「烏丸さん。」 「いいじゃないですか。人間と違うってことが誰かにバレるかもしれない、なんて仮定にすぎないでしょう?そんなことで、今の幸せを否定したら、珠美さんも相原さんも不幸ですよ。」 「さすが、泉実ちゃん。うちの馬鹿が固執するだけのことはあるわぁ!」 いや、そこは吸血鬼同士でちょっとは説得してくれ。 俺だって今この時が大事なので、普通に居酒屋をやっていきたいだけなんだ。 できれば、女将さんをやってくれる人間の女性が現れたらいいと思っているんだからな。 ・・・出会いが皆無ってのはかなり寂しい。
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