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「紅子ちゃん。悪いねえ、急に予約入れちまって。」
「琴子姐さん!いいんですよう!水くさいじゃありませんか!うちを使ってくださって、ありがとうございます!」
社長室で俺たちを出迎えてくれたのは、50歳近い女性。
髪を高く結い上げて、シャンパンゴールドのスーツを着た女性。
手の指には、宝石の付いた指輪がいくつも輝いている。
「わあ!琴ちゃんの知り合いって、べったりさんだったのねえ!」
は?
「まあ!お客さんてのは、猫又さんですか!これはまたお珍しい!」
お互いに正体が分かったらしく、笑顔で声を掛け合う二人。
俺だけがぽかんとしていたら、琴子さんが改めて紹介してくれた。
「兄さん。こちら、私らと同類。お歯黒べったりって妖怪、聞いたことないかい?」
よ、妖怪!?お歯黒べったり・・・って!
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