第1章

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まずは、紋付き袴に着替えさせられ。 「今は、ラメ入りなんてものあるんだねえ。」 普通の黒と、ラメの入った黒、その両方を着せられた。 それを、琴子さんがデジカメに撮る。 「さすがに、社長さんにも見せとかないとねえ。」 「はあ。」 仕方ないか。 今の俺は、相原さんの代わりだし。 それから、タキシードを着せられ、髪なんかもちょっとセットされ。 「兄さん。これ、ちょっと持ってみておくれでないかい。」 渡されたのは、ブーケだった。 「あの・・・?」 「珠ちゃん、衣装だけで精一杯だろう?ブーケもついでにいくつか撮って、後で見せようかと思ってねえ。」 時間短縮と言われ、俺は言われるがままにブーケを持たされた。 「あの・・・置いたまま写せばいいんじゃ?」 「誰かが持った方が、実際の感じが分かりやすいじゃあないか。」 それなら琴子さんが持てばいいのに。 男の俺が持ってどうする。
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