第1章

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その後も。 グレイのタキシードに、やはりラメ入りのもの、襟がチェックという斬新なもの、白に深緑に・・・ 何で男物がこんなにたくさんあるんだ! そのたびにブーケも替えられて、そう、十着くらい着替えたろうか。 「兄さん、お疲れ様。すまないねえ。」 終わってぐったりしている俺に、琴子さんが笑いながら声を掛けてきた。 「写真、よく撮れたから安心おしよ。社長さんも、これで衣装選べるし。」 とんでもなく疲れたが、相原さんたちの役に立てたなら、まあいいか。 それから琴子さんと二人で喫茶コーナーで待っていると、珠美さんが笑顔でやってきた。 「お待たせー!写真も撮ってきたから、琴ちゃんと泉実ちゃんで見てくれる?」 コーヒーを飲みながら、二人でデジカメを覗き込む琴子さんと俺。 ・・・ちょっといい香りにドキドキしたのは、男として仕方ないと思う。
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