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「と、とりあえず、荷物をそこに置いて座りませんか?」
話くらいなら聞く。
泊めないが。
俺のところより、琴子さんがいるじゃないか。
毛を逆立ててフーフー言ってた珠美さんが、まだムッとしたままカウンター席に座った。
すかさず、ビールと刺身を出す。
「あれ?珠美さん、旅行?」
今頃になって、荷物に気づいた木戸が、余計な一言。
「さっきから、あんた、人の話聞いてんの!?馬鹿!」
珠美さん、思いっきり木戸をひっかいた。
いや、落ち着こう、珠美さん。
木戸もミハイさんも、何も聞いてないから。
「いつにも増して凶暴ではないか。とうとう野生に帰ったか。」
そこ!発言!
これ以上、刺激してどうする!
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