第1章

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一応殴って性能チェック。ちゃんとダメージは魔力が肩代わりしたようだ。 待たせたお詫びを入れてようやくダンジョンに突入。入る前から疲れたから正直休んでいたいが、千尋のサポート役なので今は離れる訳には行かない。何故ならさっきの調子でボロが出そうだからだよ! 「あ、そうだお前魔武器もじゃね?」 「……(冷や汗だらだら)」 「……自転車でもイメージしてろよ」 「嫌だよ!?普通に剣にするよ!」 魔法衣が防具なら、魔武器が武装だ。極めた属性の力の結晶を武器の形に密集させたものが魔武器。 そういえば、三人は魔武器を出せるのだろうか? 気になったので聞いてみた所、全員出せるとのこと。なにこいつら優秀過ぎ。 やはり城のような内装のダンジョン。上に上がるか地下に行くかで少し揉め、ジャンケンの結果二階に上がることに。こっちにもジャンケン有るのか。 このダンジョンの挑戦しているものが多いせいか、ここまで魔物に遭遇しては居ない。同じ目的を持った人となら何度か擦れ違ったけどな。 入ってからもう30分が経つ。それだけ広いこのダンジョンはそろそろ折り返して戻るべきなんだが、ネックレスを使えば瞬時に外に出れるからと気にせず突き進んでいく。 ネックレスもただじゃないんだがなー。 お高いネックレスは貴族である三人には関係ないようだ。金持ちこの野郎! そんな風に妬んでいる時、前方からスケルトンが二体やって来た。 スケルトンなんてこの辺に居たっけ?と思いながら闇色の弓を魔武器として精製する。 三人組が構えた時には千尋が駆け出し、俺は弓を水平に構えて魔力で作った矢を二本指で挟んで引き絞っている。 魔武器である剣で千尋がスケルトンの武器を弾いて無力化し、その頭を俺が矢で射抜く。 まさに一瞬の出来事に三人は唖然としている。 頭を失い、崩れ落ちたスケルトンは光の粒子となり、ポトンと二つの小さな石を残して消滅する。 「ちっさ、歩きっぱなしで収穫がこれだけとか……割りに合わん」 「んまぁ、もっと奥に行けば大きなマジックストーンが手に入るんだろうけど、しんどい」 二人揃って溜め息を吐く。因みに上から俺、千尋だ。 マジックストーンの説明は文字数がきついので次のページへ。
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