第1章

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マジックストーンとは魔法を使う際の媒介や研究の材料に錬金術で必要になるときが多い。 ダンジョンの外に居る魔物を倒してもマジックストーンは出ないので、ダンジョン限定の不思議物質だ。 倒した魔物の保有魔力に比例してマジックストーンも大きな塊となる。 まぁ、だから狩り尽くされてここまで何も居なかったんだろうけど。 「つー事は、こっから魔物が出てくるゾーンって事ね。てかさ千尋、少しは相談しろよ。合図も無しに飛び出しやがって」 「やー、ライフル大好き恭哉なら後方待機かなーっと」 「俺の行動パターン読むなし変態」 「酷くない!?」 適当に千尋をからかいながら、再起動した三人組を連れて奥へ奥へと突き進む。もう戻るとか面倒です。 魔物が現れても千尋が素早く無力化し、俺が止めを刺す。この連携なら千尋も大して力を出さずに居られるしで一石二鳥だな。 サクサク俺達が魔物を倒していくため出番の無い三人組。 そして辿り着いたのが大きな扉、如何にもボスが居ますよみたいなボス扉が目の前に聳え立っている。 「うっし!こっからは俺達が行くぜ!毎回こいつにやられてるからな。積年の恨みを晴らしてやる!」 というグレイスの申し出もあり俺達は後ろで見守る事に。いや、少しは助けるけどね。逆に三人組の邪魔しちゃいそうだからさ。 グレイスは慣れたようにボス扉を蹴り開けて中に飛び込んでいく。すぐさま鳴り響く剣撃音。 リミナは魔武器である杖を、ルリミアは半球の桃色の宝石が付いた手袋をはめて中に駆け込んでいく。俺達もそれに続いた。 一瞬顔を背けてしまう程の熱気を感じた。 炎の化身となったグレイスは魔武器であろう燃える大剣でボス部屋の主であろう黒騎士と切り結んでいる。 一撃二撃と打ち合い、よろけたグレイスに追撃を仕掛ける黒騎士。だが、リミナの光魔法の砲撃が黒騎士の動きを阻害する。 これを受けては堪らないと感じたのか黒騎士は宙を舞うようにして光魔法を次々と回避していく。 回避した先にはルリミアの罠が仕掛けられている。体を拘束魔法で縛られるも、黒騎士は引き千切るようにして拘束から脱出した。 その間に体勢を立て直したグレイスが黒騎士の真横に来ていて、フルスイングをするように燃える大剣をぶん回す。しかし、 ギィィイイン、と、何も持っていなかった左腕に突如盾が現れグレイスの燃える大剣を微動だにせず受け止めた。
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