CANDY

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「ハイ」 キャンディがお店に入ってきた女の子に感じよく挨拶する。 女の子はキャンディに微笑み 「わたしあなたのファンなのっ。ハグしていい?」 「ええいいわよ」 キャンディも微笑み返し、女の子がハグして喜ぶ。 「よかったら見てってね。うちはひやかしありだから」 女の子が笑い、頷き店内を見て回る。 「ひやかしだらけになったらどうするわけ?」 服を畳んで棚に入れながらメイリーンが言い、キャンディが笑う。 「そしたら禁止にする。入ったら必ず何か買わなきゃいけないことにする」 傍で聞いていたエレインとジャッキーがウケる。 18歳になったキャンディは念願だった自分のブランドの店をオープンした。 【CANDY】 自分でデザインした服・靴・帽子・アクセサリーを売る。 CANDYのファッション誌も雑誌社に依頼して発行し、モデルはキャンディがやる。 国を救ったことで政府から多額の報奨金が贈られ、開業資金等の費用にはそれを使った。 【CANDY】は10代の女子たちからの反響が大きく、趣味で始めたキャンディにとっては凄く嬉しかった。 店の従業員はメイリーンたち。 ジャッキーはたま~に気まぐれで手伝う。 クリスティーナは財務担当。 「雑誌に載ってたこれの赤ってないの?」 女の子が棚の服を整頓しているメイリーンに尋ね、メイリーンが立ち上がって応対する。 「ない?」 メイリーンがハンガーをより分ける。 「あ~売り切れちゃったね~。 ブルーならあるけど?赤がいいの?」 女の子が頷く。 「入荷待ちになるわね。来週には入るから、取り置きしておくわ。名前は?」 キャンディはカウンターで会計し、【CANDY】のロゴの入った紙袋を渡す。 「握手して」 キャンディが微笑み手を握る。 キャンディのルックスと国を救った件、そして悪歴からキャンディは色んな意味で注目を引き、キャンディファンが増加中だった。 それは女子に限らず、男性はキャンディ目当てで店に来る。
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