CANDY

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PM20:00。 13時からの店が終わった。 エレインが札をクローズドにする。 キャンディはチマチマ働くのが嫌いで殺し屋になり、まともにバイトもしたことがないが、自分の店が売れるのが嬉しく、微塵足りとも苦じゃなかった。 それよりも楽しくてしょうがない。 月末でキャンディがレジから月の売上を見た。 「6万1245ドル。いい線いってない?」 「いってるわ」 クリスティーナが微笑む。 「ボーナス出して社長」 メイリーンが言い、キャンディたちが笑う。 「出して欲しかったらもっとがんばりなさい」 メイリーンが笑う。 「がんばってるわよ。 安い時給の割に」 キャンディたちがウケる。 「有給休暇はあるわけ?待遇ひどいとストライキするからね」 「そんなことしたら、クビよ」 メイリーンたちが笑う。 キャンディがカウンターに手を突きながら言った。 「ガードマン雇うわ。男どもを入れない為の」 「いいね。邪魔くさいからね」 メイリーンが賛同する。 キャンディたちは全員、キャンディが一番多いが、男子たちに迫られて迷惑していた。 「デカい黒人2人雇いたいの。クラブにいるようなやつ」 メイリーンが軽くウケる。 「なにそのこだわり?普通の制服着たガードマンじゃダメなの?」 「ダサくなる【CANDY】が。イヤよそんなダサいのが店の前にいちゃ。 高い革服着込んだイカす奴らがいいの。 クリスティーナ探して」 クリスティーナが笑みを浮かべながら了承する。 キャンディたちは店終いをする。 と… 店のドアが開き、男が入ってきた。 キャンディがカウンターから顔を上げる。 「ハイ」 「またきた…」 リックだ。 キャンディに完全にフラれたにも関わらず、めげずに、何を思ったのか、イメチェンして最近顔を出す。 髪をワックスで整え、革ジャンを着て、ワイルドな男を気取っている。 「太陽のように輝き、月のような魅力を放つ美しいキャンディ・サムソンには、この妖艶な美しいバラがよく似合うよ。受け取って」 リックがバラの花束を差し出す。 キャンディはリックを見つめる。 「君の笑顔はひまわりのように燦々で、みんなを明るく元気にさせる。 そしてそのあどくーーあどけない笑顔がおれの心を狂わせる」 噛みながらキザなセリフを吐くリックをメイリーンたちが見つめる。
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