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「リックーー」
「シっ」
リックが自分の唇に指を当てて制する。
「聞いて。
君の瞳はダイヤモンドのようにきらきらと輝き、見るものを虜にしてしまう。
その艶やかな唇はチェリーのように赤く可愛らしい。
その肌はこんがり焼けたパンのように綺麗な褐色で、その脚は馬のようにスラリと引き締まってーー」
「もういい帰って今すぐ」
キャンディが遮り、メイリーンたちがにやついている。
リックがバラを再度差し出す。
「わたしバラそんなに好きじゃない」
メイリーンが笑う。
「じゃあ何が好き?教えて」
「いいから帰って。ワイルド気取っても変な詩詠ってもわたしはあなたとは付き合わない。わかった?」
リックが首を振る。
「あきらめない。そう決めたんだ。絶対振り向かしてみせるよ。何度フラれようが絶対彼女にする。
おれの女になれよッ」
リックが男らしく言い放ち、キャンディがプチギレた。
バラの花束を奪い取り、リックを激しく滅多打ちにする。
リックは頭をガードし、花びらが床に舞う。
キャンディは花束を投げつけ、尻に本気の回し蹴りをお見舞いした。
「痛ッ!!!!!」
リックが尻を抑えて跪き、倒れた。
「ああああああ…」
悶えるリック。
キャンディが蹴飛ばす。
「舐めてんじゃないわよ。殺すわよッ」
リックは涙目になりながら悶える。
「さっさと出てってッ」
キャンディが蹴飛ばし、リックがお尻を抑えながら涙目でドアから出て行った。
メイリーンがウケている。
「素敵な詩だったじゃないキャンディ」
クリスティーナが笑顔でからかう。
「片づけといて」
キャンディはレジの売り上げを奥の金庫に持っていく。
エレインが箒で花びらを掃く。
キャンディは金庫を閉め、電気を消して出てきた。
「ありがとエレイン」
キャンディたちは店を出て、キャンディが鍵をかける。
店の隣りの駐車スペースに止まっているデュポスに乗り、キャンディがエンジンをかける。
「なに食べる?」
キャンディが通りに出ながら聞いた。
「あそこ行こうよっ。TVでやってた牛ステーキ屋」
助手席のメイリーンが提案する。
「いいね。そうしよう」
キャンディが賛同し、ナビを見ながら向かう。
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