CANDY

5/49
前へ
/571ページ
次へ
PM22:44。 デュポスは大きな自動門を通過し、キャンディたちは自宅に着いた。 閑静な住宅街にある車庫つきの豪邸。 キャンディたちはジェロセム邸から引っ越し、別の豪邸に住んでいた。 デュポスを玄関前に止め、キャンディたちは家に入る。 1人一部屋、メイリーン・クリスティーナ・ジャッキーは2階、キャンディとエレインは1階を使い、リビングの物の配置は今までとそっくりにしてある。 キャンディはシャワーを浴びた後、ソファに座った。 「キャンディ ガードマンの件だけど、手頃なの見つけたわよ」 クリスティーナがソファでグリムロを膝に乗せながらキャンディを見る。 キャンディは髪を拭きながら聞く。 「もう見つけたの?」 「裏系の用心棒派遣会社があるのよ。見て」 クリスティーナが隣に座り、キャンディにサイト画面を見せ、クリックする度に用心棒の写真が切り替わっていく。 中にはガタイのいい黒人が混じっている。 「お金は?」 「契約日数で変わるんだって。詳細は交渉するみたい」 キャンディはクリックして見ていく。 「黒人がいいんでしょ?」 クリスティーナがにやつきながらキャンディの横顔を見る。 「そう」 キャンディは好みの2人を見つけた。 「マイクとリズナー。この2人でいこ」 「大丈夫?黒人ってバカよ」 メイリーンがキャンディの左隣にドサッと座りながら言う。 クリスティーナが笑い、キャンディがにやつく。 「凄い偏見ね」 クリスティーナが言う。 「止めといた方がいいんじゃない黒人は。何するかわかんないわよ?」 キャンディがウケ、メイリーンを見る。 「ヤなの黒人?」 「だって黒人=犯罪でしょ。それが腕っぷしの強いデカい用心棒となったら、危険度マックスじゃない」 キャンディとクリスティーナが笑う。 「偏見の鑑ねメイリーンは」 クリスティーナが言う。 「ちゃんとしたの雇えば?UNIXセキュリティー(大手)とか」 「おもしろくない。それじゃダメ。 べつにずっと雇うわけじゃないから。2・3週間だけ。それで効果は出る」 キャンディがメイリーンを見つめる。 「反対?」 メイリーンがフフっと笑う。 「キャンディが好きに決めれば。社長なんだから」 キャンディが笑う。
/571ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加