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大量の蛇が山都を貫く、それだけじゃない体内に侵入した蛇が山都の内臓を食い破る。吐血、激痛に耐えられず山都はその場に倒れ込む。
「まだ、終わりじゃなよぉ。ずーっとずーっと言いたかったんだ!! 君ってさぁ。はっきり言ってうざいんだよぉ。誰も頼んでねぇのに、ヒーロー気取りで、なんでも首を突っ込んで掻き回す!!」
フンッ!! と山都の顔を蹴りつけ、馬乗りになった。振り上げた拳で思いっきり殴りつけた。
「いつもいつもそうだった。他人の事情なんてお構いなし、自分のやりたいようにやって滅茶苦茶にして、なのに自分は何も悪くねぇってケラケラ笑う!! 私はそういう君が大嫌いだった!!」
ガスッ!! ドスッ!! ボキッ!! 振り上げた拳から血が流れた。初めて人を殴った感触は自分の拳のほうがずっとずっとと痛くて、辛いけれど、蛇目は止まらない。吐き出した感情をせき止めることができない。変わらない彼と、変わってしまった自分を比較して、頭が狂いそうになる。髪の毛を振り乱して、叫ぶ。
「大嫌い!! 大嫌い!! 大嫌い!! 大嫌い!! 大嫌い!! 大嫌い!! 大嫌い!! 大嫌い!!」
(大好き!! 大好き!! 大好き!! 大好き!! 大好き!! 大好き!! 大好き!! 大好き!!)
「山都くんなんて、死んじゃえばいいんだぁ!!」
食い違う感情。手遅れになった。もう。山都は助からない。内臓を食い破り、何十発も殴ったのだから助からない。
「俺がっ、こんなことで死ぬかよ」
ゴホッ……と吐血しながら山都は言った。
「死ねよ。死んじゃえよぉ。自己犠牲野郎!!」
「死なねーって言ってんだろうが!! お前みたいな奴を残して死ねるか。ボケッ!! いいか、蛇目、人を殴るってのはなぁ、こうやるんだよぉ!!」
山都の拳が蛇目の頬に突き刺さる。重く、鋭い一撃にたまらず蛇目は転がった。殴った。殴られた。
「さんざん人のことサンドバックにしやがって!!」
腹は裂けていた、内臓はズタズタのはずだ。血は止めどとなく溢れている。蛇目は全身がガタガタと震えていることに気づいた。
「蛇目、お前は俺のことよーく知ってるよなぁ? 俺が本気でブチキレタときどうなる? 答えてみろ」
「血、血の雨が降りますぅ」
「正解!! さすがだな」
ヒッ、蛇目は恐怖した。今の彼は笑っていた。笑いながらこちらに来ていた。それがとても恐ろしい。
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