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sideA ★★★★★ ライヴハウスの片隅 僕は貴女の唄を聴いている 聴いているというより 感じていると言った方がいいかな 初めて手に取ったCDはジャケットの中の貴女の瞳に吸い込まれそうだった 歌詞カードを何度も何度も読み その歌詞にも引き込まれていった 頭に 心に 刻み込んだ そしてCDプレーヤーの音量を最大にして CDプレーヤーを抱きしめて 貴女の声を感じた 音が全く聴こえないこの耳では 貴女の声は振動でしか感じることができない 貴女のライヴがあると知り 迷わずチケットを買った なるべくスピーカーに近い壁際に立ち 音を感じた CDプレーヤーとは比にもならないくらいの振動で 心も体もゾクゾクとした 振動を感じると共に貴女の口の動きを読み取り どんな唄を歌っているのかも解る 僕が好きな歌 貴女からずっと目が離せないでいた ライヴもある度に足を運んだ いつからだろう 貴女が大きな身振り手振りで歌うようになったのは まるで手話でもしているかのよう 目でも楽しめるようになり 不思議と体がリズムを刻めるようになった 貴女と 貴女の唄が もっと好きになった
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