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SideA
★★★★★
高校2年の夏
好きな女の子に告白
奇しくも撃沈
また撃沈
悲しかった
悔しかった
情けない
僕の恋はいつも叶わない
小さい時から、姉みたいな存在だった3つ上の幼馴染みの貴女に、いつものように報告
貴女は僕の恋をいつも応援してくれていた
「悲しかったね、悔しかったね」と、小さい頃僕がかけっこで負けて泣いた時にしてくれたみたいに、頭をヨシヨシと撫でてくれた
「君のことを本当に好きでいてくれる人が必ず見つかるよ」と、優しく優しく撫でてくれた
いつも同じ言葉をかけてくれた
でも今回は何だか違ったんだ
僕は気付いたんだ
貴女が僕を好きだってこと
撫でてくれていた手を掴んで、そっと抱き寄せた
「ありがとう」を言いたくて
僕の恋が叶わないのは、どこか心の片隅に、貴女が居たからかも知れない
貴女の存在が幼馴染みではなく、一人の女性として大切な人に変わっていく
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