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SideB
★★★★★
夫が突然の事故死
私の心には大きな穴がぽっかりと空いて、ただ泣くことしかできなかった
私はこれからどうすればいいの
何も手につかない
両親、義両親に支えてもらいながら四十九日が過ぎた
毎月、月命日に夫が可愛がっていた君が、いつもお線香を挙げにきてくれた
夫が居た頃の話を楽しそうにする君
釣られて私も笑顔になるよ
色んな手続きをして、仕事も探して、無我夢中で過ごして、月に一度君と会って話すことが私の癒しになってた
夫の一周忌が終わり、次第に心に空いていた大きな穴が埋められていき、これが恋心だと気付く
君はいつのまにか私の心に住み着いていたよ
君に知られてはいけない
ひとまわりも離れた年上の女に好かれているなんて……
相変わらず君は月に一度、お線香をあげに来てくれた
夫が亡くなって3年、変わることなく
また他愛のない話をして君は帰っていく
その日は違った
しばらくして家のインターホンが鳴りモニターを見ると君が立っていた
すぐさま玄関を開けると、ふわっと抱き締められた
一瞬何が起きてるのか理解できなかった
君は言った
「貴女が好きです」
「貴女の支えになりたい」
「貴女の本当の笑顔が見たい」
「貴女の心の傷を癒したい」
「貴女とずっと一緒にいたい」
私も……好き
ずっと一緒にいたい
君が私と同じ気持ちでいたなんて……もうとっくに私の心の傷は君に癒されてるよ
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