第1章

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光の向こうに現れた人影に安心して、 私は意識を手放した。   次に意識が戻ったとき、 病院のベッドの上だった。 近くの漁師が夜、あの湖で漁をしているらしく、 それで私は運良く助かったらしい。 警察に事情を聞かれ、 覚えている限りのことを話し終わったとき、 彗がきた。 「実希(みき)……!」   彗は傍に来ると、 私をぎゅっと抱きしめてくれた。 「……生きてたんだ」   ……ぼそり、 耳元でそう囁かれた彗の声に、 全身が鳥肌たった。 ……なんて冷たい、声。 まるで私が生きていることが、 残念でたまらないような。 「よかった、実希が無事で。 あいつらに連れて行かれてどうなったのか、 心配してた」 「う、うん……」
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