第1章

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合い鍵を使って中に入ると、 部屋の中は真っ暗だった。 手探りで、電気をつける。 「なに、してるの……?」   明るくなった部屋の中。 テーブルの前に座っていた彗は、 顔を上げると私に笑いかけた。 ……だけど。 何故か、その笑顔にゾッとした。 「実希、来たんだ。 ごめんね、まだなにも準備してなくて」 「う、ううん」 「実希にも見せてあげたくて、 アルバムの整理してたら時間忘れちゃってさ。 ……あ、コーヒー、飲む?」 「……うん」   立ち上がって キッチンでコーヒーを淹れ始めた彗と反対に、 私はテーブルの前に座る。 そして。 その上に置かれていた写真に固まった。 「……この子、誰?」
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