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「えー?俺の妹」
彗はいつもの笑顔で
私にコーヒーを渡してくれる。
だけど、その笑顔が怖くてたまらない。
「葵っていうんだ。可愛いだろ?」
笑顔のまま、彗はコーヒー啜ってる。
私も黙ってコーヒーを飲んだ。
でも、心臓はこれでもかってくらい、
早く鼓動を刻んでいる。
「もうさ、可愛くて可愛くて、
ほんと、目の中入れても痛くないんじゃないか、
ってくらいだったよ。
葵もお兄ちゃん、お兄ちゃんって慕ってくれて」
「……そう、なんだ」
「でも、中学あがって変わった。
やっぱりいつも通りにこにこ笑ってるんだけど、
どこか無理してるんだ。
……あいつ、いじめられてたんだ」
心臓の鼓動が一気に加速する。
一瞬、険しい顔をした彗だったけど、
また笑顔で私の顔を見た。
「どうした?顔色悪いみたいだけど?」
「……なんでもない」
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