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「知ってるよね?東雲葵」
「でも、彗は……佐藤……」
「ああ。
あのあといろいろあってね?
東雲の姓は名乗れなくなって、
ばあちゃんの姓を名乗ってる」
「いろいろ……?」
「そっかー。
実希はあのあと、
すぐに引っ越しちゃったから知らないんだ」
にこにこ、にこにこ。
なんで彗はこんなに楽しそうなの?
「母さんは葵をいじめてた奴、
殺そうとして捕まった。
おかしくなってて、もう病院から出てこないよ。
父さんは母さんのことで
会社にいられなくなって辞めたんだけど、
現実から逃げるのに酒におぼれて、
躯壊して死んだ」
「…………」
躯が、震える。
彗に対する恐怖だけじゃない。
自分が犯した、罪の重さに。
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