第1章

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「言えない、よ。」 うつむきぎみに言えば、くすっと笑う彼の声が聞こえた。 「可愛い。」 ちゅっと音を立てておでこに唇が落とされる。 「ちょっと、総司・・・」 急にされて顔を上げて反論する。 すると今度は唇が重なり合う。 甘く痺れるような口付けに、体の自由が奪われていく。 ただ上手く息継ぎがができなくて、総司の胸を軽く叩く。 それに答えるかのように彼はようやく離れた。 その顔はさっきより朱くなっている気がする。 「総司、熱上がってないっ!?」 とろんとした目は、私をまっすぐ見つめる。 「上がってもいいよ。君といれるなら。・・・それに、明日は君と寝れるかもしれないし。」 いや、それは移ったときの話で・・・ 決して必ずしもそうとは限らない。 でも、できるなら私も総司と一緒にいたい。 だから、 「うん。そのときは一緒に寝よう。」 優しく微笑んで、私は総司を抱き返した。                                             Fin
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