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「言えない、よ。」
うつむきぎみに言えば、くすっと笑う彼の声が聞こえた。
「可愛い。」
ちゅっと音を立てておでこに唇が落とされる。
「ちょっと、総司・・・」
急にされて顔を上げて反論する。
すると今度は唇が重なり合う。
甘く痺れるような口付けに、体の自由が奪われていく。
ただ上手く息継ぎがができなくて、総司の胸を軽く叩く。
それに答えるかのように彼はようやく離れた。
その顔はさっきより朱くなっている気がする。
「総司、熱上がってないっ!?」
とろんとした目は、私をまっすぐ見つめる。
「上がってもいいよ。君といれるなら。・・・それに、明日は君と寝れるかもしれないし。」
いや、それは移ったときの話で・・・
決して必ずしもそうとは限らない。
でも、できるなら私も総司と一緒にいたい。
だから、
「うん。そのときは一緒に寝よう。」
優しく微笑んで、私は総司を抱き返した。
Fin
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