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「あ、えっと、紫色のパーカーに、ジーンズ、です。」
「わかりました。
5分ほどで迎えに行きますね。」
とだけ言うと電話を切った。
公衆電話を出た俺は、緊張を紛らす為に煙草に火をつけた。
ヤバいとこだったらすぐに逃げよう。
などと考えていると、こちらを見ながら歩いて来る人が見えた。
短い髪に日焼けした肌、ガタイは俺よりもゴツい。
この人だったらヤバいよな。
そう思っていると、その男は真っ直ぐ俺のほうへ歩いて来て、目の前で立ち止まる。
「えっとぉ、お電話下さった方ですよねぇ?」
ん???
外見からは全く想像出来ない優しいと言うかナヨナヨした口調。
一瞬頭が真っ白になった。
が、すぐに、
「あ、はい。」
とだけ返事をした。
「じゃあー、ついてきてもらえますかぁ?」
とだけ言うと、その男はスタスタと歩いて行った。
混乱する中とりあえずついていくと、100メートルほど進んだ先のマンションへ入った。
そのままついていくとエレベーターへ。
男は終始無言のままエレベーターを降りると、すぐ先にある部屋へ入った。
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