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ー梓sideー
唖然としてる木葉を他所に、俺は坂本の隣にいる絶賛中学2年生のままの男を見据える。
はぁ……だから嫌だったんだよなぁ…依頼引き受けるの。
「大体さ木葉。俺はいつも結局依頼は引き受けるのに今回断った理由とか考えなかったわけ?俺ってば見た目からして優しいからどんな依頼も引き受けてたろ?それ知ってるだろ?」
「え、いや。梓先輩の第一印象、『この人がリーダーで大丈夫なのか?』でしたからね、俺」
「だろ?俺ってば優しいからさぁ。なのにお前ときたら…勝手に引き受けやがって」
「あれ?おかしいな。言葉のキャッチボールが無いっす。」
まあこんなアホな木葉は置いといて、さっさと終わらせますか。
「日向野…!何でここに…?」
「女神の助けを呼ぶ声が聞こえた。だから駆け付けた!このアポロンの力にかかれば…」
「くっ、くくくく……」
すると途端に梓が黒い笑い声を発した。それに、日向野は眉間にしわを寄せ、木葉はびっくりしすぎて挙動不審に梓を見る。
「アポロン……ねぇ…。ならこの俺がわかるだろう?…なぁ、甥っ子」
「「???!!!」」
顔を上げると、挑発するような、とても艶めかしい顔でニヤ…と笑ってみせる梓。そして坂本と木葉は状況が読み込めず、お互い『!?』と、なっていた。
「…なっ……?!甥っ子だと?!どういうことだ?!!?」
「どうもこうも、ゼウスの息子であるお前は、ゼウスの兄弟である俺からしたら甥っ子ってなるだろうがよぉ…??」
「兄弟だと?!?!」
「くくっ…そうだ。俺こそが冥府の王、ハデスだ!そして…俺はそこの女神を貰い受けに来た。」
「ハデスだと?!あの裏切り者か!!…女神は渡さない!」
「…俺に勝てるつもりか?」
「無論だ。俺は必ず……女神を…アフローディアを守る!!」
「日向野……(きゅん)」
「……何すかあの茶番」
梓も厨二病がうつったと思ったら展開がよくわからない方向へ行って一人ぼっちな木葉。
「おれ、完璧蚊帳の外っすよね…」
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