24人が本棚に入れています
本棚に追加
ー月昶sideー
あいつが自分の部屋に戻り着替えてると、迎えに来た後輩は扉の横で立って待ち始めた。
そいつはいつもいつも時間になるとあいつを迎えに来る。そして必ず……俺に威嚇をしてくる。
「…………何だ」
「……いえ。今の所まだ気付いてはいないようなので、…それの再確認です。」
なんて言いながらも右京が月昶を睨むのは止めない。それはまるで威嚇というよりは牽制。
「………チッ」
それから月昶は通学の準備をする訳ではなくいつものように部屋に行きベッドに入る。
ムシャクシャした気分を寝てやり過ごす。これもまた、いつもの事。
さっきの後輩の言った言葉……。まだ気付いてない?だと?何にだ…。再確認って何の。あぁ、駄目だ。苛ついてしょうがない。
そもそもどうして時雨はあいつにあそこまでご執心なのか。
月昶がその事を分かるようになるまでにはまだまだ掛かりそうだった。
ー月昶side endー
「右京ー、お待たせ~。」
「…では行きましょうか。」
………ん?何か右京の雰囲気が怖い??…つーやんはもう部屋か。まさか2人で何かあったとかじゃねぇよな…?
そして俺は右京と部屋を出た。
「あ、右京。今日は朝からだよな?」
「そうあなたが言ったんでしょう?」
「あれ、そうだっけ??忘れちまった」
「はぁ……まあいつもの事ですけど。もう皆さん集まっている頃ですよ。」
「ういうい。」
それから俺たちはとある部屋を目指す。
着いた先。それはーーー
『万屋』
.
最初のコメントを投稿しよう!