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一目綾の顔を見ようと寝室の扉に手を掛ければ、その手を掴まれた。
「胃潰瘍の原因は、あなたよ。今は会わないで。」
「どういうこと?」
「綾が知らないとでも思ってるの?」
ざわざわ
嫌なざわつきが胸を覆う。
「何を言ってるの?」
それでもまだもがく。確信などない。
「目を覚ましたら、綾はしばらく私が預かるわ。綾も承諾済みよ。」
「なによ、それ!」
信じられない!綾がそんなことを言うなんて!
乱暴に扉をあければ、その音で綾は目を覚ましたらしく、虚ろな目で優花を見つめた。
「おかえり、優花。」
「ただいま、綾。」
ほら、いつもの綾だ。
何もかわらない、彼女。
と、安心したのは束の間だった。
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