愛しき宇宙人。

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 2011年3月某日。私達夫婦に天使が舞い降りた。  その小さな命に『体も心も強くあれ』と、想いを込めて名付け、大切に育ててきた。  手のかからない息子。何事もなく成長していくんだ、と信じて疑わなかった。だけど……。 『何かおかしい……』  言葉が増えない。親を呼ばない。  私が居なくなっても平然としている。そういえば、後追いが全くない。指さしもまだ。  他の子とは違う。3歳児健診のとき、その現実を突き付けられた。  皆大人しく待っているのに、我が子はウロウロ、バタバタ。  当然の如く問診で引っ掛かり、療育専門の病院へ。そこで受けた診断は、 『発達障害あり。他の子に成長が追い付くことはない』  はっきりとそう告げる医師。  天から地へと落とされた瞬間だった。
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