嗚呼、麗しの水商売

お師匠様

体験入店とネットでの下調べを済ませて、ワタクシ中規模で普通のキャバクラ“カミール”で働き始めることとなった。

織姫と違って、控え室がちゃんとあった。
帰りは車での送りもあった。
朝5時まで働かされることもなかった。
(夜中1時まで働いてはいたけれど)

それだけ環境が良かった分、しっかりと指名ノルマもあったし、ポイントによって時給も大きく変化した。

お客さんをしっかりとつかめば、自分の成績につながってお給料に直結する。

この、織姫と違う制度にワタクシはやる気が出ていた。

「よーし！お客さんをつかむぞー！！」

と思っていたけれど、はじめは全然お客さんを捕まえられなかった。

そりゃそうだろう。
ワタクシは織姫でしっかりと、遠慮のなさとおっさんくささを仕込まれている。

しかも、メールレディでは世間がドン引きするような性癖の数々を仕込まれている。

こんな女を指名する客は一味もふた味も変わっている人ばかりだった。

今回はその中でも、ワタクシのお師匠様と呼べるお客さんを紹介したいと思う。