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「ねぇ。本当にドエムなの?ねぇ?ねぇ?」
「お、おういえ」
あまりの食いつき方と態度の変わり方に逆にこっちがドン引きする。
さっきまで無口なおじさんだったのに。
今、ワタクシの前にいるのは目をキラキラとさせ、未来の希望に満ちた、純粋な少年だった。
「そうなんだ!ドエムなんだ!」
ワタクシの肩をガシッと掴みかからんばかりの勢いに、ただコクコクと頷くことしかできなかった。
「じゃあさ、どういうのが好きなの?」
「……どういうの?」
「そう!どういったことに興奮するの?」
どういったことに興奮?
ワタクシはその言葉を聞いた瞬間、頭に電撃が走る。
そうか。これはワタクシは試されているのだ。
ドエムだと自分から晒してしまった途端、過剰反応するお客さん。
察するに、この人はドエスかドエムかのどちらかであり、きっと変態なのだろう。
そんな変態タイプに生半可な答えを出せば、途端、ワタクシへの興味はなくしてしまうだろう。
自分から“ドエム”と言った。
ただのエムではなく、ドエムなのだ。
自分の発言にはちゃんと責任を持たなければならない。
ワタクシらしく、ドエムな回答を。
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